野球を筆頭に、陸上の投てき種目、テニスなどのラケットスポーツなどでも肘の障害は発生しやすいがここでは「野球肘」としてその状態や対応を説明します。
野球肘の分類
野球肘は発生部位により以下のように分類できます。
外側型(肘の親指側)
離断性骨軟骨炎
肘の軟骨が関節内で剥がれ落ちてしまう。
肘の外側(親指側)に痛みが続く場合は、疑いを持ちレントゲンやMRI、エコーなどの画像検査をする必要がある。
【治療や対応】
軟骨が完全に剝がれていない場合は、手術なしで完治する事もあるが手術が必要となるケースも多い。
いずれにしても、3カ月程度の原因スポーツの中止が必要となります。
肩関節の腱板筋群の低下が発生するため、肘以外の肩の強化や股関節の柔軟性向上を行っておくことが重要となります。
伸展、回外筋群起始部炎
手首を伸ばす動き、腕を捻る動きに関わる筋肉は肘の外側に付着します。
その部位で炎症を起こすと痛みを生じます。
内側型(肘の小指側)
内側側副靭帯損傷
肘の内側の靭帯を損傷した状態。
転倒など一度の力で発生する事もあるが、繰り返しの負荷で生じることもある。
投球時の痛みや患部を押した際の痛み、靭帯を引き延ばすような横方向にストレスをかけた際に痛みが誘発される。
内側上顆骨端線離開
肘の内側に位置する成長軟骨部が剥がれるような状態となったもの。
投球時の痛みや押しての痛みが現れる。
回内筋症候群
肘に付着する手首を回す筋肉の炎症により生じます。
患部の痛みの他、指のしびれや手が動かしにくいなどの症状がみられます。
肘部管症候群
肘の内側の神経が通るトンネル部分で圧迫を受けることで、小指側にしびれが生じます。
後方型
肘頭骨端線離開(疲労骨折)
比較的稀で、子供では骨端線離開、高校生以上では疲労骨折として発生する。
フォロースロー時に骨同士がぶつかることで発生し痛みが生じる。
上腕三頭筋腱付着部炎
いわゆる二の腕の部分にあたる上腕三頭筋が肘に付着する部位で発生する炎症
おおた中央接骨院の野球肘対応
おおた中央接骨院の院長、副院長は野球経験があり野球のトレーナーを行っていたため、野球肘に対しての施術はもちろん正しい投球フォームの指導も含め行うことができます。
上記のように一言で野球肘といっても様々な病態があり、治療は病態や個人の重症度などによりことなります。
ここでは、病態に関わらず共通した治療の進め方を紹介します。
STEP1 正確な状態理解
痛みの部位や症状、ストレステストなどを元に、どこにどのような問題が生じているか判断します。
また、より正確に状態を把握するために整形外科での画像検査を依頼することもあります。
STEP2 安静・ノースロー
練習を休みたくないという要望は理解できますが、多くの場合一定期間の安静が必要となります。
ノースロー期間を無駄としないために、この時期にしか出来ないトレーニングを行うようにしましょう。(具体的なトレーニングも指導いたします)
STEP3 患部外の柔軟性、筋力強化
痛みが生じた原因として、股関節や胸椎の柔軟性低下、お尻や肩の筋力不足が影響していることも多々あります。
患部と直接関係がなくても、このような問題を解決しておくことが再発防止に繋がります。
STEP4 患部のリハビリ
患部の治療としては、炎症が生じている時期は物理療法(電気治療)を中心として、患部の回復具合に応じて可動域訓練などのリハビリを進めていきます。
STEP5 実践復帰に向けて
痛みが引いてきたら、実践復帰を見据え投球フォームのチェックや体の使い方の訓練を進めます。